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骨盤矯正ってなんだろう?
みなさんは『骨盤矯正』という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
骨盤矯正は全国各所の接骨院・整骨院や整体院、まれに病院でも行っているところもあり非常に認知度の高い言葉だと思います。
しかしその知名度のわりに「骨盤矯正って何をするんだろう」「そもそも骨盤矯正ってなんだろう」というのは知られていないと感じています。
今回はそんな『骨盤矯正』についての私なりの考えをお話ししていこうと思います。
※以下特許庁のHPより抜粋
『商標とは、事業者が自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)です。
商標登録がなされると、権利者は指定商品又は指定役務について登録商標を独占的に使用できるようになります。
また、第三者が指定商品又は指定役務と同一の商品又は役務に自己の登録商標と類似する商標を使用することや、第三者が指定商品又は指定役務と類似する商品又は役務に自己の登録商標と同一又は類似の商標を使用することを排除することができます。
権利を侵害する者に対しては、侵害行為の差し止め、損害賠償等を請求できます。』
※以上特許庁HPより抜粋
↓特許庁HP
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/seidogaiyo/chizai08.html
というように、登録された商標は登録した権利者ではない者がその商標を使用した(侵害行為)場合、権利者は侵害行為をした者に対して侵害行為の差し止めと損害賠償等を請求できます。
簡単に言うと、許可なく勝手に使ったらヤバいのです。
現在でも全国各所の施術所等で『骨盤矯正』が使用されていますが、少なくともそのほとんどは許可なく勝手に『骨盤矯正』を使用しているのでしょう。
それだけでもなかなかにヤバいと思いますが、実は(というほど驚きはないでしょうが)『骨盤矯正』は医学用語ではありません。
『骨盤矯正』は医学的に定義された言葉では無い上に、なにかしらの特定の手法を指す言葉でもありません。
つまりどういうことかというと、『骨盤矯正』といいながらその実なにをやってもいいというわけです。
マッサージでもストレッチでもピラティスでもトレーニングでも、極端な話をすれば手術でも『骨盤矯正』と言えてしまいます。
なので「骨盤矯正って何をするんですか?」と聞かれても、私は『骨盤矯正』を提供していないので答えようがありません。
『骨盤矯正』を提供している施術所の数だけ『骨盤矯正』のやり方があるかもしれません。
そして、そんな『骨盤矯正』に対して否定的な意見も医師を中心に数多くあります。
否定的な意見で代表的なものは「骨盤という骨は歪まない。もし歪んでいるとすれば骨折している」というものです。
ここでいう「骨盤」とは上図の寛骨(ピンクと緑の骨)であり、寛骨に挟まれている仙骨(黄色の骨)は背骨です。
我々の腰周りは骨盤で背骨を挟む形になっていますが、骨盤は3つの骨(腸骨・恥骨・坐骨)が一つにくっついて成り立っているため、「骨盤」が単独で歪むということは構造上起こりえません。
こういった解剖学的な視点から上記の「骨盤は歪まない」という否定意見につながるわけですが、一方で『骨盤矯正』を提供している施術者からは「骨盤の歪みというのは仙腸関節(骨盤と仙骨の関節)の歪みのことを言っている」という声が聞こえてきます。
確かに仙腸関節は動く範囲は狭いものの、わずかに、しかし確実に動くことのできる関節であり、仙腸関節の状態によっては左右の骨盤で前傾等の角度が異なることがあるのは事実です。
『骨盤矯正』を提供している施術者は、この骨盤の前傾等の角度の左右差が「骨盤帯(骨盤と仙骨)が歪んでいるように見える」ことから便宜上「骨盤が歪む」と表現しているのでしょう。
(まさか本当に骨盤そのものが歪むと思っている施術者はいないと信じたいです)
そういった認識の違いから、骨盤矯正否定派と肯定派の間では「解剖学的に骨盤は歪まないだろ派」vs「仙腸関節の状態次第で歪んで見えるから便宜上骨盤が歪むと言っている派」の終わりなき戦いが繰り広げられているわけです。
個人的には「骨盤矯正を肯定はしないが積極的に否定もしない」というスタンスをとっています。
肯定はしない理由としては「解剖学的に骨盤が歪みことはないし、もし歪んだとしたらもう骨折しているよね」というもので、積極的に否定しない理由としては「『骨盤矯正』として実施された施術で状態が改善している人も世の中にはいるから」です。
前述のように『骨盤矯正』は何か特定の手法を指す言葉ではなく単なる商品名にすぎません。
施術者がどういった内容の施術を行っているのかが統一できない以上、『骨盤矯正』が黒か白かというのははっきりとは言えません。
個別の事例に対して黒か白かは判断できますが、個別の有害事例を抽出して『骨盤矯正』全体を黒とするのはあまりにも乱暴的な結論だと考えています。
そして今の日本には「骨盤が歪む」という概念が広く根ざしています。
その「骨盤が歪む」という概念に囚われ苦しい思いをする患者も多くいます。
我々施術者は患者が「私は骨盤が歪んでいる」と感じるようになった経緯を理解しその苦しみを解消できるよう導くのが役目だと考えています。
ただ、それは単に「解剖学的に骨盤は歪まない」ということを言えばいいという単純な話ではありません。
もちろん「解剖学的に骨盤は歪まない」ということを理解していただけるように努めるのは前提ではありますが、単にそれを否定すればいいほど簡単な話ではないのです。
もはや「骨盤の歪み」は日本の文化に根ざしている概念であり、それを人々の意識から抹消するのは不可能だからです。
大切なのは患者の背景を理解し対話することであり、文化の否定はそれを遠ざけることになりかねないと私は考えています。
骨盤矯正は全国各所の接骨院・整骨院や整体院、まれに病院でも行っているところもあり非常に認知度の高い言葉だと思います。
しかしその知名度のわりに「骨盤矯正って何をするんだろう」「そもそも骨盤矯正ってなんだろう」というのは知られていないと感じています。
今回はそんな『骨盤矯正』についての私なりの考えをお話ししていこうと思います。
まず『骨盤矯正』とは、「有限会社東京身体療法研究所」によって2000年10月20日に登録された商標で、現在まで継続して登録されています。
※以下特許庁のHPより抜粋
『商標とは、事業者が自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)です。
商標登録がなされると、権利者は指定商品又は指定役務について登録商標を独占的に使用できるようになります。
また、第三者が指定商品又は指定役務と同一の商品又は役務に自己の登録商標と類似する商標を使用することや、第三者が指定商品又は指定役務と類似する商品又は役務に自己の登録商標と同一又は類似の商標を使用することを排除することができます。
権利を侵害する者に対しては、侵害行為の差し止め、損害賠償等を請求できます。』
※以上特許庁HPより抜粋
↓特許庁HP
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/seidogaiyo/chizai08.html
というように、登録された商標は登録した権利者ではない者がその商標を使用した(侵害行為)場合、権利者は侵害行為をした者に対して侵害行為の差し止めと損害賠償等を請求できます。
簡単に言うと、許可なく勝手に使ったらヤバいのです。
現在でも全国各所の施術所等で『骨盤矯正』が使用されていますが、少なくともそのほとんどは許可なく勝手に『骨盤矯正』を使用しているのでしょう。
それだけでもなかなかにヤバいと思いますが、実は(というほど驚きはないでしょうが)『骨盤矯正』は医学用語ではありません。
『骨盤矯正』は医学的に定義された言葉では無い上に、なにかしらの特定の手法を指す言葉でもありません。
つまりどういうことかというと、『骨盤矯正』といいながらその実なにをやってもいいというわけです。
マッサージでもストレッチでもピラティスでもトレーニングでも、極端な話をすれば手術でも『骨盤矯正』と言えてしまいます。
なので「骨盤矯正って何をするんですか?」と聞かれても、私は『骨盤矯正』を提供していないので答えようがありません。
『骨盤矯正』を提供している施術所の数だけ『骨盤矯正』のやり方があるかもしれません。
そして、そんな『骨盤矯正』に対して否定的な意見も医師を中心に数多くあります。
否定的な意見で代表的なものは「骨盤という骨は歪まない。もし歪んでいるとすれば骨折している」というものです。
ここでいう「骨盤」とは上図の寛骨(ピンクと緑の骨)であり、寛骨に挟まれている仙骨(黄色の骨)は背骨です。
我々の腰周りは骨盤で背骨を挟む形になっていますが、骨盤は3つの骨(腸骨・恥骨・坐骨)が一つにくっついて成り立っているため、「骨盤」が単独で歪むということは構造上起こりえません。
こういった解剖学的な視点から上記の「骨盤は歪まない」という否定意見につながるわけですが、一方で『骨盤矯正』を提供している施術者からは「骨盤の歪みというのは仙腸関節(骨盤と仙骨の関節)の歪みのことを言っている」という声が聞こえてきます。
確かに仙腸関節は動く範囲は狭いものの、わずかに、しかし確実に動くことのできる関節であり、仙腸関節の状態によっては左右の骨盤で前傾等の角度が異なることがあるのは事実です。
『骨盤矯正』を提供している施術者は、この骨盤の前傾等の角度の左右差が「骨盤帯(骨盤と仙骨)が歪んでいるように見える」ことから便宜上「骨盤が歪む」と表現しているのでしょう。
(まさか本当に骨盤そのものが歪むと思っている施術者はいないと信じたいです)
そういった認識の違いから、骨盤矯正否定派と肯定派の間では「解剖学的に骨盤は歪まないだろ派」vs「仙腸関節の状態次第で歪んで見えるから便宜上骨盤が歪むと言っている派」の終わりなき戦いが繰り広げられているわけです。
個人的には「骨盤矯正を肯定はしないが積極的に否定もしない」というスタンスをとっています。
肯定はしない理由としては「解剖学的に骨盤が歪みことはないし、もし歪んだとしたらもう骨折しているよね」というもので、積極的に否定しない理由としては「『骨盤矯正』として実施された施術で状態が改善している人も世の中にはいるから」です。
前述のように『骨盤矯正』は何か特定の手法を指す言葉ではなく単なる商品名にすぎません。
施術者がどういった内容の施術を行っているのかが統一できない以上、『骨盤矯正』が黒か白かというのははっきりとは言えません。
個別の事例に対して黒か白かは判断できますが、個別の有害事例を抽出して『骨盤矯正』全体を黒とするのはあまりにも乱暴的な結論だと考えています。
そして今の日本には「骨盤が歪む」という概念が広く根ざしています。
その「骨盤が歪む」という概念に囚われ苦しい思いをする患者も多くいます。
我々施術者は患者が「私は骨盤が歪んでいる」と感じるようになった経緯を理解しその苦しみを解消できるよう導くのが役目だと考えています。
ただ、それは単に「解剖学的に骨盤は歪まない」ということを言えばいいという単純な話ではありません。
もちろん「解剖学的に骨盤は歪まない」ということを理解していただけるように努めるのは前提ではありますが、単にそれを否定すればいいほど簡単な話ではないのです。
もはや「骨盤の歪み」は日本の文化に根ざしている概念であり、それを人々の意識から抹消するのは不可能だからです。
大切なのは患者の背景を理解し対話することであり、文化の否定はそれを遠ざけることになりかねないと私は考えています。