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膝の水を抜くだけじゃダメ?水を抜いた後にやるべきこと

みなさんは『膝に水が溜まる』という現象をご存知でしょうか?

この記事を読んでいる方の中には、ご自身が定期的に膝の水を抜きに整形外科に行っている方や、身近な人で膝の水を定期的に抜きに整形外科に通っている方がみえると思います。

そんな方達のために「そもそも水って何?」「なんで膝に水が溜まるの?」というところを解説していきます。




まずは関節の構造について簡単にお話しします。

関節というのは簡単に言ってしまえば骨と骨の繋ぎ目のことを指します。

体を動かすためにはこの繋ぎ目がスムーズに動く必要がありますが、関節にはスムーズに動くためにさまざまなシステムが組み込まれています。

まず一つは『関節軟骨』ですが、これは骨の端っこにあり関節が動くときの摩擦を大幅に軽減する役割があります。

(その摩擦係数はスケートリンクに匹敵するのだそう)

そしてもう一つは『関節液(滑液)』ですが、これはヌメヌメとした液体で関節の大きさに限らず全ての関節に常に一定量存在しており、これも関節が動くときの摩擦を軽減する役割があります。

これらの『関節軟骨』と『関節液(滑液)』が正常に存在することで、関節を動かすときの摩擦はほぼ0になるそうです。

(他には膝に関しては『半月板』というクッション材があり、膝にかかる衝撃の緩和や関節の動きの補助を行う)

そしてこの『関節液(滑液)』が俗にいう『水』の正体であり、なんらかの異常により『関節液(滑液)』が過剰に分泌された状態を『水が溜まる』と表現します。

ではこの『関節液(滑液)』はどこから分泌されるのかというと、関節を包む袋である『関節包(上図の濃い青ライン)』の内側にある『滑膜』というヒダヒダの膜状の組織から分泌されるのですが、それと同時にこの『滑膜』には古い関節液を回収する役割もあります。

この『関節液(滑液)』の分泌量に対して回収量が追いつけなくなると『水が溜まる』という状態になりその程度によっては痛みを感じるのです。




とまあこんな感じでざっくりと関節の構造の話は終えるとして、関節に『関節液(滑液)』が溜まってしまう原因はなんなのでしょうか?

実は『関節液(滑液)』の分泌と回収がうまくいかなくなるのは滑膜の炎症に起因する場合がほとんどです。

『変形性関節症』や『関節リウマチ』のような疾患による炎症もあれば『半月板損傷』や『靭帯損傷』のような外傷による炎症もあります。

膝に水が溜まった状態で整形外科へ行くと『関節液(滑液)』を抜いてくれますが、医師は抜いた『関節液(滑液)』の色や状態を見て炎症の原因をおおよそ特定することが可能です。

(接骨院では膝の水を抜くことができないため特定はできない)

例えば、抜いた水の色が濃い黄色で透明な場合は変形性関節症が原因である可能性が高く、白濁色であれば感染症や痛風が原因の可能性が高いなどがあります。

そのため膝に水が溜まったらまず整形外科で抜いてもらうのが良いのですが、世間では『膝の水を抜いたらクセになる(繰り返す)』ということがまことしやかに囁かれています。

実際にこの噂の真偽のほどはどうなのでしょうか?

実は膝の水を抜くことでクセになることはあり得ません。

なぜかというと、そもそも水が溜まる原因は炎症があるからです。

「疾患・外傷→炎症が起こる→水が溜まる→水を抜く」の順番なので、『水を抜くからクセになる』のではなく『炎症があるからまた溜まる』のです。

ということは、水がたまらないようにするためには炎症をやっつけることが必須条件であり、水が溜まっている状態は自然治癒しないので炎症を抑える何かしらの治療をしなければいけません。

例えば当院では炎症を抑えるために微弱電流療法という種類の電気治療や、痛みが強い場合は包帯やテーピングを使って関節の動きの制限を行います。

実際にそれで毎月のように整形外科へ水を抜きに行っていた患者が、当院での治療以降一度も水を抜きに行かなくても良くなった事例はいくつもあります。

もちろん関節に炎症が起こる原因によっては接骨院で手を出すべきでないものもあります。

(関節リウマチや感染症など)

その領分は理解した上で、患者のためにできることを最大限やれば接骨院でも十分に治療が可能です。




膝に水が溜まって悩んでいる方には、整形外科だけではなく接骨院でも治療が可能であるということをぜひ知っていただきたいと思います。

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